本多静六という偉人をご存知でしょうか?
たゆまぬ努力の末に東大にて林学の教授となり、「四分の一天引き貯金法」という独自の貯蓄法により財を形成し、その資産を元手とした投資により巨万の富(現在価値で100億円以上)を築いた学者です。
「四分の一天引き貯金法」は本多氏の著作『私の財産告白』にて紹介された手法であり、真似できれば誰でも富裕層になれる資産形成の極意です。
本記事では明治の偉人、本多静六氏が推奨する「四分の一天引き貯金法」について説明します!
本多式「四分の一天引き貯金法」とは?
「四分の一天引き貯金法」とはどのような貯金方法なのでしょう?
これは、その名が示す通りの手法です。
具体的には、給与が得られた時点でその手取り額の1/4を貯蓄or投資に回すというかなりストイックなものです。本多式「四分の一天引き貯金法」とはどのようなものかというと、名前が示す通りの貯金法です。
本多氏は、この貯金法を長期間継続することにより、投資の種を作りました。
給料の少ない若い人ほど、
「今の少ない給料で更に1/4貯金なんて無理!本多とやらは学者だから給料も良かったんだろうよ!」
と思うでしょう。
しかし、それは甘えかもしれません。
何故なら、本多氏がこれを始めたのは、25歳で家族九人を養うという貧乏真っ盛りの頃だったからです!
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄につとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬと考えた。
『私の財産告白』本多静六 著、以下引用全て同様
とのこと。どんだけストイックなんだこの御仁は。。
貧乏で苦しいうえにもさらに苦しさを求めたのですから、初めた頃の生活は全くお話にならないほどの苦しさだったようです。
これに黙ってついていった奥さんこそ真の偉人かもしれません。
月末には、毎日ごま塩ごはんばかりでしのいでおり、正直な子供たちは泣き顔を浮かべていたそうです(^^;)
本多式「四分の一天引き貯金法」の鉄の掟
「四分の一天引き貯金法」の概要はつかめたでしょうか。
実は、この手法には更なる鉄の掟があります。
あらゆる通常収入は、それが入った時、天引き四分の一を貯金してしまう。
さらに、臨時収入は全部貯金して、通常収入増加の基に織り込む。
つまり、ボーナスとか、著作収入とか、現代だとブログ収入とか、その他もろもろの臨時収入は100%貯金にぶっこむのです!!
ただし、貯金利子に関しては例外で、通常収入とみなしてその四分の一のみを貯蓄に回すのでよいそうです。
これにより、貯蓄をすればするほど実生活も潤うため(初期の段階では多少でしょうが)、貯金することの恩恵を感じられてモチベーションがあがるというのが目的でしょう。
本多式「四分の一天引き貯金法」を続けるコツ
上記のとおり、とんでもなくストイックな「四分の一天引き貯金法」ですが、本多氏はどのようにしてモチベーションを維持したのでしょうか。
その極意は、合理的思考と諦念(諦め)にあります(笑)
コツ①:合理的思考
さすがの本多氏も、ひもじさ故にべそをかく子供を見ると辛かったそうです。
本人曰く、断腸の思いをしたとのこと。
それでもこの貯金法を断行したのは、続けることが合理的であるという理性の上の判断によるものです。
四分の一貯金を続けていれば、三年後にはこれだけの、十年後にはこんなにも財産を作れる。
これだけの財産があれば利子収入も膨らみ、貧乏を克服できるという合理的・計画的思考がその根底にはあったのです。
気の毒だとかかわいそうだとかいうのはツマラヌ感情の問題であり、このような情に負けてはならぬと歯を食いしばり耐え続けました。
なお、家族には、今の苦しさは将来の苦しみから逃れるためのものだから、しばらく我慢してくれと説いたようです。
彼ほどに努力と継続を極めし人を、私は他に知りません。
本多静六氏は「一万時間の法則」を幾重にも発動させた努力の化身といっても良いでしょう。
凡庸ゆえに努力にすがるしかない私にとっては永遠のヒーローであり、人生の羅針盤です。
コツ②:諦念
天引き分は初めから無かったことにする、ない袖は振れぬ!以上!!(笑)
ホンの一回、最初の出発において、何人もまず四分の一の生活切り下げを断行してください。ただそれだけで済むのである。何事も中途でやり直すことは難しい。最初から決めてかかるのが一番楽で、一番効果的である。
貯蓄が貯まったらすること:有利な事業への投資
本多氏の資産形成の快進撃は、不屈の努力でこしらえた財産を事業投資に回したことから始まりました。
本多氏の場合は、林学の教授であり山林に関する造詣が深かったこともあり、安値で買いあさった山林の資産価値が、やがて何十倍にも膨れ上がるということで実を結びました。
さらに、株式の長期分散投資により、その資産は雪だるま式に増えていったそうです。
現在価値でいうと100億円以上もの資産を形成したことについて、本多氏は以下のように注意書きしております。
その元はといえば僅かな俸給の四分の一天引きである。私はとくにここで貯金をバカにしている一部の人々にこのことを強調したい。国家の敗戦とそれに伴うインフレーションといった大変事さえなければ、やはり貯金のチカラは絶対偉大である。
これが、金で買えないものは無いほどの超絶大金持ちの言葉です。「貯金は絶対偉大だ」とのこと。
そして、貯金により作り出した財産をうまく投資に繋げていく。
本多氏の生きた時代では限られた個別株が買えるようになったばかりであり、山林や物件など、投資先は限られていました。しかし、高度に文明が発展した現代では、インターネットを利用して家にいながら世界中に投資することが可能です。
もしも本多氏が現代に居られるとしたら、間違いなくインデックスファンドの長期分散積立投資を推すことでしょう。
下図が示すように、ここ200年もの間、米国株の資産価値(配当再投資時)はインフレ調整後でも年間平均6.7%の速さで増大し続けてきました。
出所:AAII Journal
この『世界が生み出す価値の増幅』の流れに乗るのがインデックスファンド投資のエッセンスです。
長期積立投資による資産形成については以下の記事で詳しく説明しておりますので、是非お読みください。
共働き庶民が20年間で1億円を作り出す方法を以下の記事で検討してみましたので、こちらも併せてどうぞ!
まとめ
本多式「四分の一天引き貯金法」と、作り出した財産の投資について説明させていただきました。
ちなみに私はというと、29歳の時に本手法(実際は1/2ぐらい)と以下の記事の節約法を用いることで、貯金額を約300万円増やせました。
現在は生活満足度が下がらないようにペースを落としてますが、投資利益と合わせて資産は増え続けております。これを機に、偉人が編み出したストイックな手法で、ひと財産こしらえてみませんか?
以下、「四分の一天引き貯金法」以外に本多静六氏が実践した価値ある行いをまとめましたので、お読みいただけると幸いです。
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