従って、信託報酬は実質マイナスにならず、0.05%(税込0.08%)となります。
しかしながら、税込0.08%であっても投信最安の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬が0.17%であることや、国内株式としてS&P500インデックスに投資可能であることのメリット(売買手数料無料等)はそのままですので、焦って売却したり、VOOに乗り換えたりする必要はないと考えます。
貸株制度をご存知でしょうか?
貸株とは、自身が保有する株を証券会社に貸し出し、報酬を得ることができる制度です。
もちろん、我らが楽天証券
今回は、この制度を用い、お得にS&P500インデックスに投資する方法を紹介します。
なお、楽天証券の口座をお持ちでない方は、まずは以下記事を参照ください。
楽天証券の貸株サービスとは?
楽天証券の貸株サービスとは、その名のとおり、保有している株式を楽天証券に貸し出し、それにより賃料(金利)を受け取ることができるものです。
金利は銘柄により様々で、0.2%程度のものから10%を超えるものまで存在します。
また、気になる配当や株主優待ですが、権利確定日の金利を上昇させたり、権利確定日には一度返却してもらい、配当や株主優待を受け取るといった方法を選択できます。
詳細は楽天証券の解説を参照ください。
楽天証券 貸株サービス:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/lending/
マイナス手数料でS&P500インデックス投資する方法
さて、ここからは当ブログで推奨しているS&P500インデックス投資をお得にする方法を紹介します。
S&P500インデックスの魅力については以下記事を参照ください。
投資する対象
まず、投資する対象ですが、iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(ISS&P500米国株:1655)とします。
ISS&P500米国株は、S&P500の値動きと連動することを目指したETFです(東証上場)。
S&P500インデックス投資を国内株式としてできるのがポイントです。
なお、信託報酬は0.15%となっています。
貸株金利とマイナス手数料化のカラクリ
では、ISS&P500米国株の貸株金利はいくらでしょうか。
2019/2/17現在、0.75%です。
これ以上の説明は不要だと思いますが、一応説明します。
信託報酬は先程述べたとおり0.15%(手数料)、これに対し貸株金利が0.75%(金利)ですので、実質0.75-0.15=0.6%の金利となります。
マイナス手数料というと語弊があるかもしれませんが、単純に貸株金利が信託報酬を上回っているため手数料どころか報酬が貰えるというわけですね。
0.75 × (1 – 0.3042) – 0.15 ≒ 0.37%
となります。
また、これに配当が乗ります。
2019/2/14から過去1年間の配当利回りは1.61%ですので、実質2.21%(税込で1.98%)の配当となります。
成長が大いに望めるS&P500インデックス投資に加え、約2%の配当が得られるというのはあまりにも大きいです。
具体的な貸株のやり方
貸株サービスを用いたS&P500インデックス投資の魅力は伝わりましたか?
それでは具体的なやり方を紹介します。
まず、楽天証券の貸株サービスにアクセスし、「貸株サービスを申し込む」をクリックして後は案内に従うだけです。
⇒楽天証券 貸株サービス:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/lending/
貸株サービス登録完了後は、株式を購入すると自動で貸株となります。
配当や優待の受け取り方については、お好みで選択すると良いでしょう。
おすすめは税制上損しない「株主優待・予想有配優先コース」です。
なぜ米国株ETF積立より貸株+ISS&P500米国株か
米国株ETFの選択肢としては、VOO等が存在します。
しかしながら、海外株式は貸株サービスに対応していないため、金利を上乗せすることができません。
VOOであれば、信託報酬は0.04%と格安ですし、配当利回りは2019/2/15段階で1.55%あります。
そのため、ETF単体でみれば、ISS&P500米国株よりもお得です。
ただし、VOO等の米国株は大量買い付けでないと手数料負けするというデメリットが存在します。
具体的に手数料は、最安の楽天証券やSBI証券でも、約定代金の0.45%(最低5米ドル、上限20米ドル)とられます。
一方で、楽天証券の場合、国内ETFの約定(売買)手数料が無料です。
約定代金の0.45%が5米ドルとなるのは、1ドル110円で計算すると約12万円です。
したがい、12万円未満の少額積立投資を行う場合、0.45%以上の手数料がかかるということになります。
例えば、月5万円積み立てるとすると、5万円の投資に対して5米ドルの手数料がかかるため、実質手数料1.1%になります。
少額になればなるほど手数料で損して行くということですね。
これでは、配当利回りが良くても手数料で損するため、少額の積立投資にベストな選択肢とは言えません。
1%以上の手数料というと、ウェルスナビ等、手数料が高いと言われているサービスを超えていますからね。
大前提として、S&P500に連動した成長に期待するとしても、やはりお得に投資したいですよね。
以上のことから、トータルの金利が高く、かつ約定手数料が安いISS&P500米国株+貸株サービスを推奨します。
なお、海外株式の約定手数料については、月に数十万円積み立てるような場合は問題になりません。
貸株サービスの注意点
さて、ここまで貸株サービスの良いところを紹介してきました。
本節では、貸株サービスを始めるにあたり、いくつか注意点がありますので紹介しておきます。
リスク
まずは貸株サービスを用いたマイナス手数料投資のリスクです。
リスクは1つ、貸株金利の引き下げの可能性です。
現在は0.75%の金利が設定されていますが、今後下がる可能性があります。
とはいえ、元々の信託報酬である0.15%を大きく下回る可能性は低いでしょう。
場合によっては、一度全て売却してVOOに乗り換えるということも可能です。
貸株は積立NISA枠外で行う必要がある
貸株サービスは、投資信託には対応していません。
そのため、積立NISAのお得な枠を使うことができないのです。
本来S&P500インデックス投資に期待することは株式の成長による多大な利益ですので、利益が非課税となる積立NISA枠を超えて投資したい場合の選択肢と考えてください。
積立NISA枠(月3万3千円)より低い金額で積立投資する場合は、積立NISA枠内で投資信託すべきです。
楽天証券は累積株式投資には未対応
累積株式投資とは、国内株式を自動で積み立てるシステムですが、楽天証券をはじめ、インターネット証券では使えません。
ISS&P500米国株式は、国内株式のため、楽天証券では自動積立できないことになります。
そのため、手動で毎月一定額を積み立てることに手間を感じる場合はおすすめできません。
投資信託等を積み立てましょう。
確定申告が必要となる
貸株サービスによって得られた金利は「雑所得」扱いとなるため、確定申告が必要となります。
確定申告をしたくない方には貸株サービスはおすすめできません。
なお、確定申告は会計ソフト等を用いれば簡単です。
まとめ
以上、信託報酬無料(マイナス)でS&P500インデックス投資する方法でした。
S&P500の成長による利益に加え、高い配当を得ることができるシステムです。
積立NISAの枠を超えた積立投資をしたい方は検討されてみてはいかがでしょうか。
お得にS&P500インデックスに投資していきましょう。
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