【単身編】現実的なセミリタイア手法と必要な金額【2500万円】

単身FIRE戦略

本記事では最も合理的と思える単身者向けのセミリタイア手法と、それに最低限必要な金額を整理しました。
以下の条件に当てはまる場合は、本手法を用いることで安定したセミリタイア生活が望めます。

セミリタイア手法の必要条件と必要資金
生活費 :月14万円以下
必要資金:2500万円

以下に、具体的な手法を説明していきます。

※家族世帯の方は、5000万円でセミリタイアする手法を示した以下の記事をお読み下さい。

【家族編】現実的なセミリタイア手法と必要な金額【5000万円】
本記事では、家族持ち世帯の場合に最も合理的と思えるセミリタイア手法と、それに必要な金額を整理しました。以下の条件に当てはまる場合は、本手法を用いることで安定したセミリタイア生活が望めます。セミリタイア手法の必要条件と必要資金家族持ち世...

セミリタイア戦略の収入内訳

本セミリタイア手法での収入源は、投資資金からの取り崩しと個人事業主としての労働収入となります。

収入の内訳は以下です。

・投資取り崩し額:80万円
・労働収入:100万円以下
⇒合計収入:180万円以下

必要なセミリタイア資金は2500万円

投資切り崩し額は、高確率で持続可能な値として税込み4%とします。
取り崩し額が税引き後80万円となる投資資金はいくらかというと、2500万円になります。

2500万円×0.04×0.8(税率20%)=80万円/年(税引き後)

年間取り崩し割合4%の根拠についてですが、米国で行われたトリニティスタディという研究によると、米国株式インデックス(S&P500)と米国短期債に50%ずつ投資した場合、4%の取り崩し額であればどんなタイミングから30年間続けても破産することはなかったという研究結果があります。

詳しくは以下の記事をご確認頂きたいですが、更に盤石な取り崩し割合として本ブログでは3.5%、S&P500:BND=75:25の投資割合を推奨しております。資産規模に余裕がある方はこの条件にすることで更なる資産増大化を狙うのもありですね!

高配当株戦略を取っている方は、連続増配株による配当金が税引き80万円となればOKですね。

いずれのやり方であっても、時間の経過と共に徐々に資産規模が大きくなっていくことが期待できるため、投資収入は多くなっていくことが予想されます。

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事業所得

労働収入は、ブログ、アフィリエイト、YouTubeなどのWeb事業やウーバーイーツのように個人事業主として行う活動を行いましょう。しかし、更なる生活資金の確保が必要であればアルバイトも行います。

なぜ個人事業主として活動を行うべきかというと、青色申告を行うことで青色申告特別控除として65万円が控除されるという節税スキームを活用できるためです。

これにより、住民税の「非課税控除額」35万円とあわせて事業所得に対する課税控除額は100万円となるため、100万円以下の事業収入であれば全額非課税になります。

更に、個人事業主であれば事業に掛かる費用を経費として計上できるため、実収入に対する所得額を大幅に圧縮することができるというメリットもあります。例えばブログ事業であれば、職場を自宅の一部屋とすると家賃や光熱費の2割、通信費の5割、記事執筆に使うPCやモニター等周辺機器代、記事執筆に使用した書籍代などを経費として計上出来ます。

従って、例えばブログ収入が年間150万円だとしても、50万円の経費を計上すれば事業所得は100万円となるのです。ここから控除額分を差し引くと、所得はゼロ円とみなされます。

これは、ルールに則った節税手法ですから脱税要素はありません。もしも不備があった場合でも、税務署から指摘を受けた際に修正すればOKです。チュートリアル徳井さんのケースのように悪質であれば話は別ですが、心配であれば税理士に確認しましょう。

なお、事業収入が少ないためアルバイトをするという場合は、給与所得控除額の65万円までは非課税となります。つまり、個人事業主がアルバイトも行った場合は、最大で165万円まで非課税枠が得られます。

ブログなどの事業所得とアルバイト等の給与所得を併用することで控除という節税スキームをフルに使うのが賢明でしょう。どちらかが少なければもう一方で補うという形でやりくりするのが合理的ですね。

いずれにしても、セミリタイア時にはそれなりの規模の事業所得を得られる状態にしておきたいので、事業所得となる収入の柱を持っていない方はお早めにブログやアフィリエイト、Webサービスの開設などを始めてみることをお勧めします。

なお、個人事業主になると失業保険の受給資格が失われます。雇用保険の制度を十分に理解した上で実行しましょう。

給与所得(アルバイト)で代替可

個人事業主としての活動がうまくいきそうにないなら年間収入100万円以下のアルバイトを行うことでも代替可能です。

ただし、年収100万円のアルバイトを行うには月約8万円を稼ぐ必要があり、時給1000円と高めに仮定しても月80時間も働く必要があります。従って、平日毎日勤務するなら一日4時間、もしくは一日8時間のフルタイム労働を月10日間程度行うことになり、そこそこ労働にリソースを割く必要が出てくる点には注意が必要です。

アルバイト中心で行う場合には、ブログ等の半不労所得の恩恵を得にくくなりますが、隙間時間にブログ等を運営しても「収益-経費<20万円」となるなら課税対象にはならないので確定申告は不要になります。しかし、アルバイトで源泉徴収されている場合は年末調整すると払いすぎた税金分が返ってくるので年末調整は行いましょう。

従って、アルバイトと並行してブログやアフィリエイト、YouTubeやWebサービスの開発に着手し、将来の半不労所得のための種まきをしておくことをお勧めします。

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税金面

次に、個人事業主の税金について見ていきましょう。

所得税・住民税

個人事業主は青色申告を行うことで所得税に対しては103万円、住民税に対しては100万円(正確には98万円ですが、100万円までは非課税控除額が適用される)の所得控除枠が得られるため、事業所得が100万円以下であれば、所得税および住民税はゼロとなります。

国民年金

青色申告を行う個人事業主であれば、扶養家族がいない場合は前年度事業所得が122万円までであれば国民年金を全額免除とできます。(扶養家族一人につき35万円の控除額追加)

国民年金の保険料は月額16410円(令和元年現在)ですから、年間で約20万円免除されることになります。セミリタイア民にとっては大きなメリットとなりますね。

しかし、国民年金保険料を全額免除した場合は、免除期間に納めた分に対して老後に貰える年金が1/2となります。とはいえ、実際の出費は無いのに1/2払ったのと同等の扱いになるというのは、自分年金を確保しているセミリタイア民にとっては十分なメリットです。

年金保険料の免除割合の詳しい条件については、以下の日本年金機構のページをご確認ください。

国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度(日本年金機構)

国民健康保険

日本の社会保障は世界でもトップクラスに充実しております。健康保険に入ることで、医療機関の処置を受けた際の自己負担割合が3割以下となる大きなメリットが得られます。

また、健康保険に関しては国民皆保険制度というものがあります。この制度により、日本国民はだれもが健康保険制度に加入する義務があり、自営業やフリーターであれば国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険は国民年金制度とは違って所得が少なくても全額免除にはなりませんが、減額制度があります。

減額割合は7割、5割、2割の減免措置があり、前年の世帯所得に応じて自動的に決まるため申請は不要です。(市町村によっては申請が必要な免除制度あり)

保険料自体は法律に則って市区町村ごとに規定されるので一概に幾らであるとはいえませんが、減額基準は以下のようになります。

・世帯所得33万円以下:7割減額
・世帯所得60万円以下:5割減額
・世帯所得82万円以下:2割減額

従って、青色申告を行った収入100万円以下の単身者であれば世帯所得は0円となるため、国民健康保険料は7割減額となります。

これにより、年間2万円程度の健康保険料におさえることができます。

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まとめ

以上の検討結果をまとめると、以下のようになります。

単身者の安全なセミリタイア戦略
年間収入
・投資収益80万円:運用資金2500万円の4%を切り崩す
・労働収入100万円:個人事業主として青色申告で課税所得0円
年間支出
・税金0円:所得税および住民税0円
・社会保障費2万円:国民年金0円、国民健康保険2万円程度
年間収支
手取り年収178万円(月額約15万円

資産2500万円でセミリタイアするためのキーポイントは、固定費削減を長期的に行うことで生活満足度は維持しつつ可能な限り生活費を下げることと、投資資金を貯めている間に長期的にWeb事業の種を撒いておくことです。Web事業が無ければ、運用資金が2500万円だと週三日程度の労働が必要になってきます。

逆に、年間100万円ほどのWeb収益をお持ちであれば、2500万円の運用資金があれば事実上のアーリーリタイアが可能です。これが無いと、アーリーリタイアには5000万円規模の投資資金が必要になってきます。不動産投資などでも代用は可能ですが、詐欺案件も多いので十分な知識武装が必要です。

上記の戦略を取れば、運用資産もWeb収益も時間と共に膨らんでいくことが想定されるため、高い確率で年を経る毎に家計が楽になっていきます。

サラリーマンは実際の所得の40%程度を最終的には税金として収めております。これが、個人事業主になり節税スキームを上手に使うことによりかなりの負担減が実現できることは、橘玲先生の往年の名著「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」にも書かれているところです。

以下、関連記事です。

投資資金に余裕があるなら3.5%の取り崩しを推奨します。

FIREの実現には生活費を下げることが最重要事項ですが、その中でも固定費にメスを入れれば生活満足度を下げることなく大幅な削減が可能です。

5000万円あれば、家族持ちであってもセミリタイアが可能となります。

【家族編】現実的なセミリタイア手法と必要な金額【5000万円】
本記事では、家族持ち世帯の場合に最も合理的と思えるセミリタイア手法と、それに必要な金額を整理しました。以下の条件に当てはまる場合は、本手法を用いることで安定したセミリタイア生活が望めます。セミリタイア手法の必要条件と必要資金家族持ち世...

※本記事は以下のサイトの情報を参考にしました。

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