今年も確定申告の時期がやってきましたね。
サラリーマンだとなかなか馴染みがないイベントですが、医療費控除やふるさと納税、外国税額控除等により、イレギュラーに申告が必要になった方も多いかと思います。
本記事では、e-Taxを用いて簡単に確定申告を済ませる方法を紹介します。
e-Taxとは?
e-Tax(イータックス)とは、国税電子申告・納税システムの略で、確定申告をネットで完結させる便利なサービスです。
これにより、確定申告時期に極めて混雑している、色んな意味でリスクが満載な税務署に足を運ぶ必要がなくなります。
次節から、e-Taxを利用する方法と、普段確定申告をしないサラリーマンに役立ちそうな要点を解説していきます。
e-Taxによる確定申告の準備
マイナンバーカードまたはIDとパスワード
e-Taxを利用するにあたり、マイナンバーカードまたはID・パスワードが必要となります。
マイナンバーカードを発行済みの方は、これをカードリーダーに読み込ませばそのまま利用可能です。
マイナンバーカードを未発行の場合は、ID・パスワードを発行してもらうため、税務署に行く必要があります。
特に面倒なことはなく、税務署で自分の順番になったら、運転免許証等をみせて、住所等を入力するだけです。
ID発行作業自体は5分くらいで終わります。確定申告前の税務署が空いている時期に行けば、そこまでトータル時間もかからないかと思います。
源泉徴収票
勤め先から発行される「給与所得の源泉徴収票」が必要です。
年末調整済みであっても、未調整であっても問題ありません。
医療費関係の領収書
医療費控除またはセルフメディケーション税制を申告する場合には根拠となる領収書が必要です。
なお、領収書は添付するわけではなく、明細書を作成する際に必要となります。
ただし、領収書は確定申告後、5年間保管しておかなくてはなりません。
ふるさと納税の寄附金受領証明書
ふるさと納税をした場合は、各市町村から発行される「寄附金受領証明書」があると便利です。
市町村、寄附金額、寄付日を入力するために使用します。
証明書が見当たらないという方は、ふるさと納税をしたウェブサイトの履歴等で確認しましょう。
「証明書の提出」は基本的に省略可能とされています。
なお、ふるさと納税は「ワンストップ特例」制度を利用すると、5自治体までであれば確定申告不要となりますが、何らかの理由で確定申告をする場合、ワンストップ特例は無効となるため、別途ふるさと納税に係る申告が必要となります。
特定口座年間取引報告書
株取引をしている方のうち、一般口座を選択していたり、特定口座で源泉徴収を選択していない、あるいは海外株の取引により二重課税が生じている場合、控除等の申告をする必要がありますので、「特定口座年間取引報告書」を用意しておきましょう。
これは、多くの場合ネットで確認可能です。
マイナンバー確認書類
最後に、世帯全員分のマイナンバーを入力する必要があるため、家族のマイナンバーカードや通知カード、マイナンバーが記載されている住民票等を用意しておきましょう。
e-Taxを使った確定申告の要点解説
必要書類が揃ったら、早速e-Taxで確定申告をしましょう。
e-Taxの入力は解説が非常に丁寧ですので、基本的に迷うことはないと思います。
特に源泉徴収票のあたりは、これでもかってくらいに解説されています。
そのため、ちょっと迷いそうなところを掻い摘んで説明していきます。
なお、確定申告は、原則2月16日から3月15日の間(休日等により前後します)と決められていますが、e-Taxの場合は年明け(今年、令和元年分の場合1月6日)から申告可能です。
したがい、最もスマートに確定申告する場合は年末までにID・パスワードの発行やマイナンバーカードの用意をしておく必要があります。
作成開始
まず、e-Taxのウェブサイトにアクセスしましょう。
「作成開始」をクリックします。
提出方法については、マイナンバーカードとカードリーダーをお持ちの場合は、「e-Taxで提出:マイナンバー方式」を、税務署でIDとパスワードを発行した場合は、「e-Taxで提出:ID・パスワード方式」を、書類だけ作成して税務署に直接提出する場合は「印刷して提出」を選択します。
印刷して提出する場合は、当然ですが通常どおり(2月16日~)の受付日となります。
次に、申告書の種類について、医療費控除等をしたいサラリーマンであれば「所得税」を選択します。
医療費控除の入力
作成を進めていくと、「適用する医療費控除」の選択肢がでてきます。
基本的には、医療費控除は、年間の医療費が合計10万円以上の場合、それ以上の額が控除額となり、セルフメディケーション税制は年間の薬代や健康維持のために使用したお金の合計が1万2千円以上の場合、それ以上の額が控除額となりますが、どちらか一方しか選択できません。
このため、差し引きして控除額が高くなる方を選択します。
医療費控除の明細作成には、医療費集計フォームが便利です。
医療費集計フォーム(iryouhi_form_v3.xlsx)をダウンロードし、医療費、病院名等を入力し、これをアップロードして読み込ませます。
読み込みの結果、エラーがなければ完了です。
医療費控除の計算方法については、以下の記事にて詳しく解説しています。
ふるさと納税(寄附金控除)
ふるさと納税については、所得控除の入力時に申告します。
先述のとおり、ワンストップ特例を申請していても、確定申告する時点で特例は無効になるため、入力が必要となります。
寄附金受領証明書にしたがい、必要事項を入力しましょう。
このとき、同一の市町村であっても1件ずつ入力する必要があります。
正直なところ、市町村選択後に住所等が自動入力されるのは良いのですが、市町村が多い都道府県だと、プルダウンからお目当てを探すのが面倒だったりします・・・(見慣れない名前の市町村ですし)。
外国税額控除
米国株式等、日本の税金のほか、現地で課税される株式やETFをお持ちの場合、申告した方がお得です。
以下画面の一番下「外国税額控除」から申告します。
なお、外国株式を保有していても、英国株ADR等、現地課税がないものだけであれば、ここは無視して良いです。
副業収入がある場合のポイント
副業収入として、経費減算後に1円でもプラスとなる場合は、雑所得として申告が必要です。
よく「副業収入が20万円以下であれば確定申告不要」という話をききますが、これはあくまで所得税のお話です。
住民税については、一律10%が課されますので、キッチリ申告しましょう。
なお、副業を会社にあまり知られたくないという方は、以下の「給与・公的年金等以外の所得がある方の入力項目」の住民税の徴収方法について、「自分で納付」を選択しましょう。
残りの処理
概ねチェックポイントを紹介しました。
あとは、申告時期を設定し、マイナンバー等の入力作業を終えて提出しましょう。
申告時期は年明け以降であれば、当日からいつでも設定できます。
特に遅くする理由は思い付きませんが、早ければ早い程、還付金の振り込みが早くなります。
申告後、医療費等の還付金がある場合は、数日後に国税から処理状況の確認方法についてお知らせメールが届きます。
まとめ
以上、e-Taxを使った簡単な確定申告方法の要点でした。
確定申告時期の税務署は、単純に混雑で時間が無駄になるだけでなく、インフルエンザや新型コロナウイルス感染リスクも高いでしょうし、予めID・パスワードを発行してe-Taxで確定申告するのが良いと思います。
今回紹介したレベルの要件であれば、e-Taxで困ることはありませんが、それでもめんどくさいという方は、やよいの白色申告オンライン等のサービスに頼ると良いかもしれません。
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