投資格言の中に「国策に売り無し」という言葉があります。これは、国の政策の流れに乗る業界・分野の企業に投資すれば報われるということを表します。
では、オリンピック需要が終わりつつある現在、国策というものはあるのでしょうか?国策どころか世界中を巻き込む国際連合策として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ/SDGs」というものがあります。
他にも国策としては国土強靭化計画やムーンショット目標というものがありますが、本記事ではSDGsにスポットライトを当てて、将来について思いを馳せてみたいと思います。
SDGsとは?
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な開発目標として2030年までに行う地球(環境)と人類の繁栄のための行動目標を定めたものであり、17のゴールと169のターゲットが制定されております。
このままだと人類社会および地球環境は持続不可能(つまり滅亡)になりかねないため、地球環境を保護しつつ人類も繁栄が続けられるように各国が意識的に取り組みをしましょうと国連で採択されたものと解釈できます(要は新興国の発展を抑え込みつつ環境ビジネス推進プラン)。
17のゴールとは、以下のようなものを指します。
持続可能な開発目標(SDGs)17ゴール ※うち、赤文字は少なくとも直接的に環境に関連している13のゴール
1. 貧困の撲滅
2. 飢餓撲滅、食料安全保障
3. 健康・福祉
4. 万人への質の高い教育、生涯学習
5. ジェンダー平等
6. 水・衛生の利用可能性
7. エネルギーへのアクセス
8. 包摂的で持続可能な経済成長、雇用
9. 強靭なインフラ、工業化・イノベーション
10. 国内と国家間の不平等の是正
11. 持続可能な都市
12. 持続可能な消費と生産
13. 気候変動への対処
14. 海洋と海洋資源の保全・持続可能な利用
15. 陸域生態系、森林管理、砂漠化への対処、生物多様性
16. 平和で包摂的な社会の促進
17. 実施手段の強化と持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップの活性化
これらの目標に関係性が強い分野が、今後10年で大きく成長する可能性がある業界だと考えられます。ざっと眺めると、一見して環境や食料、医療や水資源、エネルギーやインフラという分野が重点目標として掲げられていることが目につきます。それも、どちらかというと新興国や発展途上国向けのビジネスが必要とされているように見えますね。
一方で、健康を損なうような分野や環境汚染を引き起こす分野にはネガティブな印象です。
以上をまとめると、以下となります。
そういえば2020年4月に、国の登録品種から農家が種取りや株分けをすることを禁ずる種苗法改正法案が国会に上程されましたね(意味深)。何のことかわからない人は、モンサントと共に調べてみてください。
SDGsに対する疑問
地球環境と人類の繁栄に対する持続可能性を模索するということが目的であるはずですが、そもそも地球が持続不可能になりかねない根本的な原因は人口増加にあるでしょう。人間は地球上の有機物を食い荒らし、地下資源を掘り返して化石燃料をガンガン消費しておりますが、どちらも元をただせばエネルギー[J]に還元できます。持続可能な状態とは「人間(と動物)が利用した総エネルギー量<外部から地球に与えられる総エネルギー量」となり、つまりは「太陽エネルギーの利用可能な入射エネルギー量が地球上の総消費エネルギー量を上回る」という条件に還元できます。
これを実現できる方法は三つ考えられます。
一つ目は、再生可能エネルギー技術の高効率化およびエコ技術の発展があります。再生可能エネルギーには、主に太陽光発電、風力発電、そして広義には水力発電が含まれます。このうち、太陽光発電は文字通り太陽からの入射エネルギーを直接電力に変える技術です。
では、風力と水力はというと、実はこれもエネルギーの大元は太陽光エネルギーなのです。風は、太陽が熱する半球面と太陽が届かない裏面との間に生じる温度差や気圧差から生じます。また、太陽に向いてる半球面と反対側の面との万有引力の差から海の潮汐が生じ、これが波を生むことで風を生み出すことに寄与します。
水力発電は主にダムからの落下方式が考えられますが、地上の水を上空に蒸気として運び、やがて雨となって落ちてくることでダムの水は蓄えられます。これも、太陽光による熱エネルギーの成す循環機構です。つまり、風力発電も水力発電も太陽光エネルギーが形を変えたものを有効活用するものです。これら、太陽光出自のエネルギーを電気エネルギーに変換する技術を向上させつつ、電気を使う機器側の電気効率(エコ技術)を向上させようという取り組みが一つ目の解決策になります。
昨今、太陽光発電や風力発電のコストが指数関数的に低減しているためコスト対決で石油と肩を並べ、プロジェクトによっては石炭をも凌駕するレベルになってきておりますが、太陽光も風力もエネルギー強度が小さいため、人間のエネルギー消費の大部分を担うように大規模に導入するには非常に困難であるのが現状です。こちらの記事にあるように、オーストラリアなどの向いている地域から大規模に導入が進んでいくのだと思います。
しかし、電気エネルギーだけでなくハウス野菜や家畜・養殖のためのエネルギー源も担おうと思ったらまだまだ全然足りません。鍵は「いつまで指数関数的コスト低減が維持されるか」にかかっているでしょう。
二つ目は、核融合技術や高速増殖炉などといった事実上のフリーエネルギー技術の開発です。(ほぼ)フリーエネルギーがあれば、太陽による入射エネルギーのみに頼る必要がなくなります。科学を学んだ者であれば質量欠損の圧倒的なエネルギー量についてはご存知でしょう。(「ほぼ」フリーエネルギーと書いている理由は、現代科学では理論的に永久機関が存在しえないため、永久機関ではないことを示すために記載しております。そして、永久機関を発明したという人が現れると何故かすぐにその発明者は亡くなってしまうという都市伝説があります。)
さて、三つ目の手法は、「人口削減」となります。太陽光エネルギーが育てた地球上の有機物を食い荒らすのも、太陽光エネルギーの堆積物である地下資源を使い倒すのも人間です。その人間の絶対数が減少すれば、エネルギー消費量もその分だけ減少します。そして、哀しいかな、(ほぼ)フリーエネルギー無くして永遠の人口増大はありえません。
人間は動物です。従って、放っておけばどんどん繁殖していきます。これは動物として当たり前の習性です。これを食い止めるには、外部から何らかの手法を用いて誘導・管理するしかありません。そういえば、以下は5年前の情報ですが、現代の日本では不妊に悩む夫婦がどんどん増えているようですね。
不妊を心配したことのある夫婦は3組に1組を超え、子どものいない夫婦では 55.2%にのぼる。
話をSGDsに戻しましょう。
SGDsでは地球と人類の繁栄に対する持続可能性の追求と謳いながら、実際の目標は飢餓・貧困の撲滅や食料・水・健康の促進といったものが並びます。これは、特に発展途上国の人口を大幅に増やす方向に向かう目標ですね。ということは、一つ目の再生可能エネルギーの普及だけでは心許ないでしょうから、どうしても二つ目の解決策である(ほぼ)フリーエネルギー技術の実現化が急務となってきます。
では、(ほぼ)フリーエネルギー開発に関する項目は見つかりますでしょうか?7番目の項目に「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」というという項目がありますが、これは再生可能エネルギーなどといったクリーンエネルギーの開発が主となります。
核融合技術や高速増殖炉といった(ほぼ)フリーエネルギーの開発目標は残念ながら見つかりませんね。つまり、どういうことなんでしょうかね?2030年までに実現は無謀だからとも考えられますが、だとしてもその基礎研究を行うなど1項目ぐらい含まれていても良いと思うんですけどね。
まとめ
国際的な設定目標であるアジェンダ2030「SDGs」について紹介し、そこから見える今後発展するであろう分野について考えてみました。また、個人的な疑問点も提示しました。なんか途中からエネルギー講義みたいになっちゃいましたね、偉そうにすみませんでした(^^;)
気が向いたら2050年までの日本政府の展望「ムーンショット目標」についても同様に考察したいと思います。先に一言だけ言っておくと、最先端テクノロジーや未来技術に馴染みのない方にとっては荒唐無稽にも見えるかなりぶっとんだ内容となっております。
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