米国を中心とした株式市場が活況となっており、S&P500は史上最高値(ATH : All Time High)を更新しております。このような状況下では、高値掴みを控えるために投資を控えるべきであるという声が散見されます。
かく言う私も以前、リセッション前にやるべきこととして現金比率の見直しを喚起しました。
従って、高値圏では投資を控えるべきだと考える人は多いと思いますし、リセッション時に狼狽売りをしてしまうリスクがあるなら今のうちに現金比率を見直し、場合によっては積み立てを一時停止することも賢明な判断だと思います。
しかし、私はこのような状況下でも愚直に積立投資を続けております。
その理由は、投資対象の大部分が米国株式インデックスファンドだからです。
高値域で積み立てられなければ長期暴落時に継続できるか疑問
個別株投資家であれば、狙っている銘柄が狙っている価格水準以下である際に購入するべきですから、高値圏では手出ししないのが正しい選択だと考えられます。
しかし、インデックス積立投資家の場合はどうでしょうか?私は、インデックス積立投資とは、価格が如何様であっても積み立て続けることを通して平均利回りを狙う戦略だと捉えております。
これは、タイミング投資をしないというある種の諦念なのですが、それを愚直に続けることにより手間を最小限に抑えたうえでそこそこの果実を享受できる手法です。
私のような凡庸な人間には未来の株価は読めない。だからインデックス積立投資という長期投資による再現性が極めて高い手法を選択している。そうであるのに、現在の価格が高いと思うから買い控えするというのは、株価を読んでタイミング投資していることになり矛盾します。
また、この程度の高値域で積み立てを辞めてしまうような人間が、30%や50%という大暴落が来た時に積立投資を続けることができるでしょうか?戦略として購入ラインを決めて買い控えている玄人や鋼の意志力を持つ人なら可能ですが、特に投資初心者であれば難しいだろうと思います。
私は感情を排除し、機械的に購入し続けるために自動積立設定をしているので、このまま株価が暴騰を続けようが、積立設定を弄ることは現状はありえない選択肢となります。
高値掴みをしたとしても、超高確率で15年後には報われる史実
なぜ強気に積立投資を信じることができるのかというと、それは米国株式市場の過去のパフォーマンスを拠り所としております。
本ブログの読者の方には「またかよ。。」と思われるかもしれませんが、大事なので何度でも書きます。はい、以下の「宝の地図」です(笑)
出典:AAII Journal
この図は、約200年間に渡って米国株式市場が実質トータルリターンで年利6.7%という驚異的なパフォーマンスを叩き出し続けてきたことを示しています。そのパフォーマンスたるや、212年間で93万倍です!
しかし、簡単にこのリターンを得られるというわけではありません。株式投資はハイリスク投資に分類されますので、当然元本割れリスクが存在します。
とはいえ、これは時間が解決してくれます。最悪のタイミングで全額投資するという一括投資の条件では元本割れ期間は最長で約15年となります。従って、配当に掛かる税金や投資信託の運用コストを考慮しても、最長でも20年あればプラス収支になると私は見込んでいます。
さらに、積立投資ならこの長期元本割れリスクを低減できます。
毎年一定額積み立てる場合を考えてみましょう。もしも今年が最悪のタイミングであり、今年の投資分は今後15年間元本割れするとしても、来年から15年後にかけては今年よりも株価が安くなりますので、その期間の多くはより早く元本割れ期間を解消します。
その結果、15年を待たずして元本割れを解消できます。シミュレーションはしておりませんが、おそらく最悪のケースでも元本割れ期間は10年以下なんじゃないでしょうかね?
無論、上の「宝の地図」に描かれた最悪のケースを超える未曽有の長期大暴落が米国株式市場に襲い掛かる可能性もゼロではありません。そのようなことがもし起こるのであれば、世界的な大不況により資本主義自体が揺らぐため労働市場は阿鼻叫喚でしょうし、私の投資活動も大失敗に終わりますが、その時は不運だったと諦めて、砂を噛んで労働を続ける覚悟です。
投資スタイルを崩すことのリスク
株式市場の歴史を紐解けば、配当再投資条件であれば基本的には長期投資は報われることがわかります。これは、ピケティが「r > g」の不等式により、広くあまねく成り立つことを示しております。「絶対に」はありませんが、「ほぼ確実に」と考えられる確度だと個人的には思います。
それなりに分散を効かせて個別株リスクを回避して配当再投資を怠らなければ、長期投資であれば手法を問わずそれなりに報われるでしょう。グロースであれ、バリューであれ、高配当戦略であれ、インデックス投資であれ、市場自体が長期的に右肩上がりであればどの手法でも引っ張り上げられると考えられるからです。
投資スタイルが間違っていると判断したのであれば、その時は抜本的に手法を変える必要がありますが、最高値圏に突入したからといってコロコロと手法を変えていては、肝心な大暴落時に株式市場から撤退するリスクが高まるでしょう。
このリスクが最も大きなダメージを伴うため、市場撤退リスクを排除するために、私は積立自動設定をして放っておいても積立投資が維持される仕組み化をしております。
まとめ
既に大きな資産を築いている投資家たちは、長期投資で生き残ってきたからこそ現在の資産があるのです。彼らは、ITバブル崩壊とリーマンショックという歴史的な大暴落市場を二度も乗り越えてきた猛者人(もさんちゅ)ですが、彼らはどうやってこの冬の時代を乗り越えたのでしょうか?
それは、以下の二つの四字熟語に集約されると思います。
徹頭徹尾、初志貫徹!!
投資手法の改善は是非とも行うべきですし、リスクを取りすぎであれば許容リスク内に投資資金を減らすべきですが、そうでなければ評価額に一喜一憂して右往左往するのはコストと機会損失リスクだけを増大させます。
投資初心者の方は、自分の中で揺るがない投資理念を構築し、未来の「もさんちゅ」に共になろうではありませんか!
長期株式投資家のバイブル、「宝の地図」については以下をお読みください。
長期積立投資であれば、投資を始めるべきタイミングは常に「今」となります。その理由は、タイミング投資の入り込む余地を排除した手法だからです。
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