「ブログはオワコン」
そう言われて久しい昨今ですが、特に投資ブログ界隈は苦境に立たされているようです。
その証左の一つとして「今後は投資ブログで稼ぐというのは難しい」と発言する有名ブロガーが増えております。また、ブログ村の米国株カテゴリでは、ランキング上位の人ですらさほど収益を得られていない(月数万円程度)という吐露も散見されます。
そんな中、以前投資ブログの収益についてTwitterでアンケートを取らせていただきましたが、その結果は非常に厳しいものでした。。私を介したアンケートということで大きなバイアスはかかっておりますが、以下の通り4人の内3人は月間収益が一万円以下でした。
本記事では、現状の投資ブロガーが厳しい状況である理由と、私の個人的な意見として投資ブログの未来は明るいという主張について説明していきます。
台風で暇なんで、アンケートを取らせて下さい!
投資ブロガーに聞きます👂
あなたの月間ブログ収益は?— ニューロンズ💰理系の錬金術師 (@Singularitalian) October 12, 2019
※本記事の内容は、アンケートの選択肢でいうと低い方から二番目程度の収益しかない自分のブログのことは棚に上げて、テクノロジーの進化が導く検索の仕組みの抜本的な変化とそれが導く未来に関する個人的な見解を書いております。その点あらかじめご承知おきください。
何故投資ブログは苦境にあるのか
なぜ、投資ブログは苦境に立たされているのでしょうか。
私が思う理由は以下三点です。
Google検索アルゴリズムのコアアップデートによる個人投資ブロガーへの冷遇
何よりも大きい理由は、Google検索のアルゴリズムのコアアップデートでしょう。
投資記事の中にはどうみても詐欺というような話や誤った情報も沢山あり、投資家保護という観点からGoogleは大企業や公的機関が運用する「公式サイト」の評価を引き上げております。
その結果、内容・ボリューム・面白さの全てにおいて高いレベルにある個人投資ブログであっても、Google検索の順位は下落しております。
この傾向は、今後もしばらくは続くでしょう。
つまり、Googleは内容の面白さや多様性を犠牲にしてでも、情報の正確さが担保されておりかつオーソドックスで詐欺スキームの少ない大手企業による公式コンテンツをヒットさせることを重視しているように見受けられます。
この原因は、Googleの検索アルゴリズムが記事の内容(文意)を理解できないため情報の正確性が担保できず、また詐欺やはめこみ案件かどうかを判断できないことにあると私は考えております。
つまり、現在の個人投資家ブログ冷遇の傾向は検索エンジン側の問題だと考えます。
投資ブロガー数の増加
米国株を中心とした右肩上がりの長期トレンドが堅持されていることから、投資に目覚める人が増えております。
また、手取り収入が下落の一途を辿り、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある社会情勢では、副業をしないと生活を維持するのが大変という傾向があります。
更に、国が副業斡旋の風潮にあることから、手軽に始められてどうやら稼げるらしいと考えてブログを始める人が増えております。(私もその中の一人です)
その結果、投資ブロガーが一気に増えたことにより、パイの奪い合いが過熱しているのが現状です。
ただし、ブログは相当な才能と努力が無い限り短期間で大きな収益を上げることが難しく、また先述の背景もあり、多くの人は短期的には稼げないということがわかって辞めていきます。
しかし、現状は辞める人よりも始める人の方が多く、またそこそこ芽が出た人や辛抱強い人は続けるため、自然淘汰が追い付いていないのが現状でしょう。それは、4人に3人は月間収益が一万円以下という冒頭のツイートのアンケート結果からもよくわかります。
上述したGoogleの検索アルゴの方針もあるため、個人投資ブロガーへのパイ自体が減っていることに加えて競争人口が増加しているため、一人当たりのブログ収入は激減しているのでしょう。
さらに、投資記事はジャンルとして内容がかぶりやすいものであり、完全オリジナルな記事を書くことは容易ではありません。特にインデックス投資はその最たるものです。
ネタが限られているのに書く人は増えているため、情報が飽和状態にあると言えます。
ブログ村依存の陰陽
投資ブログでは「ブログ村」が珍しく機能しており、その中でも米国株ブログカテゴリは、ブログ村が活況です。私も登録してみて驚いたのですが、ブログ初心者であってもそこそこ中身のある記事を書けば100PVぐらいは読まれます。(題名と記事の内容にかなり依存しますが)
それなりにまともな記事を一日一記事も書けば、わりと簡単に月10000PVはいくことが予想されます。Googleアドセンスをつけていれば、平均的な値としてクリック率を1%、クリック単価を30円と仮定すると、1PV当たり0.3円の収益が望めます。
従って、月3000円ぐらいは初心者ブロガーでもすぐに狙えるレベルです。アフィリエイトも併用すれば、更なる単価アップも期待できます。
一方で、ブログ村は記事を投稿してもすぐにより新しい記事に埋もれていくというトレンド要素が高い特性があります。
このことから、一記事あたりの文字数を少なくする代わりに記事数を量産したり、ブログ村ロックオンの内輪ネタに走ったりと、ブログ村でクリックされることに最適化するような戦略も多くとられております。
この戦略は、ブログを始めたばかりであればそこそこのリターンが見込めて継続しやすくなるため、良い戦略であると言えるでしょう。
しかし、ブログ村を見ている人数は投資記事への総検索人数に比べれば微々たるものです。また、ブログ村ユーザーの多くはブロガーですから、広告のクリック率が低いことは容易に想像できます。すると、ブログ村のみを頼る戦略は、どこかで頭打ちになることが予想されます。
トレンド要素の高い記事数を量産するということは消耗戦につながります。また、Google検索ではボリューム(3000文字ぐらい?)や記事構成(目次と網羅性)が重視されているように見受けられるため、この戦略は検索流入にはさほど寄与しないかもしれません。
検索流入が見込めなければ、更新を辞めたら途端にPVが激減します。つまり、ブログ村への依存はラットレースとなりえます。これを続けるのは困難であり、やがて疲弊していきます。
多くの人にブログを読んでもらいたいのであれば、検索流入を意識したストック要素の高いコンテンツ作りが必要なのだと考えます。(言うは易し行うは超難しですが…)
投資ブログの未来は明るいと考える理由
さて、上記の内容だけを見ると、投資ブログの未来は散々たるものであることが予想されます。まさに、レッドオーシャンでのデスパレードですね。
この傾向は、残念ながらしばらく続くでしょう。しかし、私は長期的にずっとこのままであるとは思っておりません。むしろ、遠くない将来に検索の歴史が変わるような抜本的なゲームチェンジが起こり、個人投資家ブログが息を吹き返すと考えております。
例え現在成果が得られていなくても上昇傾向にあるのであれば、マイペースでいいから継続していくべきであると考察しておりますので、その理由を説明していきます。
検索の仕組みが根本的に変わり得るAIアルゴリズムBERTの発明
昨年末頃、AIの自然言語処理分野で突如としてブレークスルーが生じました。
自然言語処理の分野では、言語理解の度合いを計るためのデータセットが多数あるのですが、あるアルゴリズムが多くのデータセットでそれまでの記録を大幅に更新し、一部の分野では人間をも凌駕したのです。
そのアルゴリズムの名はBERTといいます。
開発機関はどこかというと、そう、Googleです。何のための開発かというと、検索エンジンの高度化のためですね。
このニュースを見たときに、私は検索の常識がガラリと変わると確信しました。
BERTが高度化されれば、文意を正確に理解することが出来るようになるでしょう。すると、その情報が正確であるかどうかを例の「公式サイト」などのその他の情報と照合することで確認することができます。(実際は複雑なニューラルネットワーク内の重みとバイアスという多変数により形成された複雑な人工知性が瞬時に判断するのでしょうが)
そうなると、個人ブログの記載内容が正確であるかどうか、詐欺的な如何わしい情報は含まれていないかを判断することができます。
こうなると、Googleが検索で公式サイトを優遇する必要性が少なくなります。すると、個人ブロガーが公式サイトと同じ土俵で戦うことが出来るようになると考えられます。
更にビッグニュースとして、2019年10月にGoogleがAIアルゴリズムBERTを検索エンジンに適用するとのリリースがありました!!
まずは米国内でテストを行い、その後は全世界に適用していくようです。
読み通りの展開!
予想してた展開きたぁぁあーー!!
Google検索にAIアルゴ「BERT」が適用。検索の歴史が変わります。「AIで文章の意味を理解した上でユーザーが求めている情報を検索ランキングの上位に表示できるようになる」
/グーグル、検索サービスにAI 文章の意味も理解: 日本経済新聞 https://t.co/TOzN4ugdUa
— ニューロンズ💰理系の錬金術師 (@Singularitalian) October 25, 2019
近い未来にやってくるリセッションによる自然淘汰
投資家ブロガーが苦境にたたされている理由の一つとして、ブロガー人口の増加を挙げました。
その理由は株式市場が好況であることですが、経済にはご存じの通り好況と不況のバイオリズムがあります。
そして、米国株式市場にて歴史上最長の拡大期が続いている昨今、リセッションの足音は刻一刻と近づいてきていると言えます。
いつ来るかはわかりませんが、やがてリセッションが来ます。すると、投資ブームは間違いなく去るでしょう。
そうなると、投資関連記事が読まれなくなります。今よりも更にパイが減るということですね。
その結果、収益が上がらない多くのブロガーは残念ながらブログを閉鎖するでしょう。これがチャンスを意味することは、逆張りも厭わない投資家であればご理解いただけますね(笑)
経済には好況と不況のバイオリズムがあると前述しました。やまない雨は無いということは、つい10年ほど前のリーマンショックが証明しております。
やがて株式市場は息吹を吹き返すことでしょう。そして、投資ブームは再開します。
こうなったときに、サーチエンジンに評価されるような記事を愚直に書き続けていたブログはどうなるでしょう?
冬の時期を超えられなかった多くのライバル達が消え、ストック記事という肥料を蓄え続けたあなたのブログは、現状に比べて相対的に遥かに多くの果実を実らせるとは考えられないでしょうか?
ブログは継続した者が勝つシステム
読み手にとって価値のある記事を書いていれば、記事数が増えれば増えるほどサーチエンジンからの評価は高まるようです。サーチエンジンからの評価が高まれば、現状と似たような記事を投稿したとしてもPV数は劇的に増えるでしょう。
ブログは継続した人が勝つシステムであるとはよく言われております。例えば、「アウトプット大全」という本には、100-300-1000の法則というものが書かれております。
これは、100記事投降すれば毎日読んでくれる人が出てきて、300記事で検索エンジンで数ページ以内に表示されるようになり、1000記事で検索1ページ目に表示されやすくなるとのことです。この結果、月間数万から数十万PVの検索アクセスが期待できるそうです。
今後、グーグルがブログにばらまく総額が減っていくことで月収数百万というバブルは終わる(終わった?)のかもしれませんが、継続してさえいれば月10万円程度は十分狙えるんじゃないかなぁと個人的には思います。
これは、冒頭のアンケートにて月20万円以上の収益をあげている人が17%と二番目に多かったことからも類推できます。おそらく彼らは年単位で継続している人たちでしょう。
とはいえ、収益ばかりを気にしていても疲れますから、楽しんで続けていくのがベストですね!
まとめ
私は公式コンテンツよりも個人ブログの方が読みたいと思う人間です。
しかし、現状の検索エンジンはというと、私ような人に対してであってもまず公式コンテンツがヒットします。
これが、検索エンジンが賢くなることでその人の趣味・趣向に応じたコンテンツがヒットしやすくなり(これは既にレコメンド機能で一部実装済みだと思いますが)、更にAIアルゴリズムのBERT系列が適用されるようになれば情報の正確さや詐欺性が判断できるようになるため、検索者が求めているコンテンツがヒットしやすくなります。
逆に言うと、個人ブロガーの記事が、その内容を求めている人にリーチしやすくなるということです。これにより、公式コンテンツに占有されている検索上位枠が個人ブロガーに解放される日が来るというのが私の主張です。
これだけは断言できますが、個人投資家の方々のブログは面白いです!
心が折れかけているブロガーの方は、長期積立投資同様に明るい未来を信じ、無理の無いペースで一歩一歩愚直に前進していこうではありませんか。
おそらくテクノロジーやAIの発展をウォッチしている投資ブロガーは稀有であり、自然言語処理分野にて大きなブレークスルーが生じている事実とそのAIを駆使した検索アルゴの進化が導くであろう未来に気づいている人は少ないと考え、他に運営しているブログと合わせてもまだまだ月収数万程度の初心者ブロガーである私が言うのも大変恐縮でしたが、一筆取らせていただきました。Twitterのアンケートにご協力いただいた方々、ありがとうございました。
あくまでも楽観主義者の個人的な見解であり、また本記事のような意見を見たことが無いため、全く違うディストピアが訪れた場合はすみません。。
※最終的にはあらゆる活字情報を取り込んだAIがマザーコンピュータとなりブログは壊めts・・・
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