インデックス海賊団は事あるごとに、やれインデックス投資が良い、それインデックス投資が良いと、呪文か合言葉のように唱えております(私もその海賊団の一味です)。でも、こういうときに私はいつも思います。
凄いのはわかったから、どれぐらい凄いのか数字で示してくれませんか?
ということで、自分で示すことにしました。指標は、受験勉強でおなじみのみんな大好き(大嫌い?)偏差値です。
インデックス株式投資の表の投資偏差値は58!
ということで先に評価結果から言ってしまうとインデックス株式投資の投資偏差値は58です。
一応求め方をお伝えしておくと、インデックスファンドの投資実績を見ると、10年後にアクティブファンドの8割程度に勝ったという主張があります(諸説あります)。この結果に基づいて、ファンド群の成績が正規分布に収まるという強引な仮定を置き、受験勉強での偏差値と同様にσが10ポイントとなるように設定すると(つまり偏差値40-60の間に約68%が収まる)、上位20%に位置するインデックスファンドの偏差値は58となります。
あれ、みんながすごいすごいというわりには大してすごくなくない?と思う方も多いのではないでしょうか。ただし、ここには生存者バイアスがガッツリ入っているため、長期で見た場合にはもっとずっと高いことが予想されます。
ということで、長期の分析による生存者バイアスを取り除いた真の投資偏差値を評価してみましょう。
インデックス株式投資の真の投資偏差値は69!
ここから先は、インデックスファンドの祖である故・ジョン・ボーグル氏の著書『インデックス投資は勝者のゲーム』のデータを参考に、淘汰されたファンドも含めた投資偏差値を算出していきます。
さて、著書の中で、1970-2016までの投資信託の長期的リターンについての調査結果が載っております。そこに記されている衝撃の事実とは、なんと1970年に存在した355本の投資信託の内、2016年時点での破綻率(解散率)は80%であり、S&P500である市場平均に対して+2%以上の年間リターンを出し続けたファンドはわずか2本しかなかったとのことです。
引用:ジョン・ボーグル『インデックス投資は勝者のゲーム』
市場平均(S&P500)に対して年+1~2%の成績をおさめた、運が良かっただけかもしれないファンドも含めると、市場平均に勝ったファンドは計10本だったとのことですので、長期で見た場合のインデックス株式ファンドのパフォーマンスは1/35、つまり上位3%に入っていることになります(同点のファンドが沢山ありますが)。
これを、先ほどと同様に偏差値に焼き直すと、インデックス株式ファンドの真の投資偏差値は69となります。大学受験で言えば、地方国公立医学部には入れるでしょうし、学部を選ばなければ東大にも入れるかもしれないぐらいの偏差値です。プロ中のプロと呼ばれる機関投資家達が運用するファンドと競い合った際に、何の努力も必要なくこのような好成績を得られるのがインデックス株式投資ということになります。
この数字を見せられたら、多くの人がインデックス株式投資の優位性に納得するのではないでしょうか?
まとめ
S&P500の成績とその他投資信託とのパフォーマンスを比較した結果をもとに、インデックス株式投資の投資偏差値を算出してみました。
その結果は、生存者バイアスが入った表の偏差値は58、生存者バイアスを除いて無残にも散っていったファンドを含めた、46年間の追跡調査による真の投資偏差値は69となりました。
短期的にはインデックスファンドを上回るファンドは沢山存在し、インデックスファンドの成績は「中の上」から「上の下」が関の山であるかもしれません。しかし、長期的には比類なき成績を安定して叩き出してくれるということがわかりました。
もちろん調査期間や調査方法によって結果は若干変わるとは思いますが、多少の差こそあれ長期的には偏差値60以上の投資方法なのだという認識でOKだと思います。
とはいえリーマンショックや世界大恐慌のように市場平均自体が短期的にズタボロになることもあるので絶対に安全で確実な方法というわけではないのですが、20年以上に渡って投資し続けられる方であれば、長期で見たら平均回帰の法則が発動しますから安心して良い投資先なのではないかなと思います。
コメント