最近、「DX推進パスポート」という言葉を耳にする機会がよくあります。これは、IT系の基礎資格や検定を取得すると、その数に応じたレベルのバッジが授与されるというものです。
私はもう1年も前になりますが、人気が出始めていたG検定(ジェネラリスト検定:JDLA Deep Learning for GENERAL)を受験・合格し、ついでに出題範囲にダブりがあるITパスポートにも合格しました。そして昨今、DX推進パスポートなるものが発行されるようになり、これら2つの場合、「DX推進パスポート2」が発行されました。
ここに、データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)を加えると、最高レベルの「DX推進パスポート3」となるため、折角なのでこちらも受験し、合格しました。
そして晴れてレベル3になりました!
難易度としてはそれぞれ大したことがないものですが、達成感はなかなかありますね。
本記事では、G検定、DS検定、ITパスポートの概要と、各々10時間以下で合格した勉強方法を紹介します。
なお、私のIT基礎レベルは、AI開発的な業務には携わっていませんが、一般教養レベル+αと数年前に趣味でPythonを触っており、多少こなれたくらいのレベルだと思います。したがい、全くIT関係がわからない!という方の場合は、もう少し時間がかかると思います。
DX推進パスポートとは?
DX推進人材(=DX推進パスポート取得者)の定義は「DX推進を行う職場において、チームの一員として作業を担当する人。DXを推進するプロフェッショナル人材となるために必要な基本的スキルを有する」(デジタルリテラシー協会HPより)です。
今、日本企業が一生懸命取り組んでいるDX推進について、基礎的な知識があることを証明する資格ともいえ、この知識があると、DX専門家とDXを導入したい関係部署の社員の会話が円滑になるでしょう。本資格取得を推奨する大企業も増えてきているようです。
私が勤める会社でも本資格の取得を推奨しており、取得すると報酬が出るので私も小銭稼ぎのために取得しました。
詳細はデジタルリテラシー協会のHPに書いてありますが、「G検定」、「DS検定(リテラシーレベル)」、「ITパスポート」のうち、取得した資格数に応じてDX推進パスポート(1~3)が取得できるというものです。
DX推進パスを取得すると、デジタルバッジが貰えます。面白い取り組みではありますが、デザインもう少し良くないと名刺とかには付けたくないですね・・・。
なお、あくまで「基礎的な知識」を測る資格群ですから、そんなに難しいものではありません。合格率も40%~60%くらいのレベルです。物量的には危険物乙種を取得するのとそんなに変わりません。
G検定の概要と勉強法
G検定(ジェネラリスト検定:JDLA Deep Learning for GENERAL)は、ディープラーニングに係る知識を測ることに重きを置いた試験です。詳細は日本ディープラーニング協会のHPを参照ください。
私のトータル勉強時間は10時間程度でした。勉強方法は、以下2冊を中心とし、まずG検定公式テキストを通して読み、全体をざっくり理解していきます。次に、問題集も1回通して解きます。正解しても、必ず解説を全て読みましょう。
一通り終わったら、2周目をやりますが、公式テキストは斜め読みで太字のところをチラチラと読んでいく程度(すぐ終わります)で、問題は全て解きます。問題集は一周目と同様に解きますが、解説は斜め読みで良いでしょう。
これらのテキストを2周もすると、問題を解いても答えを覚えてしまっているような状態になりますから、これ以上やる意味はあまりないでしょう。あとは、問題になれるという意味で、検索すると模擬問題等結構出てきますので、不安な方は色々やってみると良いと思います。
私は試験前日等に、再度テキスト2冊の二周目と同じことをしました。
この結果、正答率92%で合格しました。
試験は自宅受験であり、自由に検索、Chat-GPTの使用等できますので、如何に効率よく答えを調査できるかも問われているといって良いでしょう。G(oogle)検定といわれる所以です。
だったらそもそも勉強不要じゃない?と思うかもしれません。
人によってはそうかもしれませんが、意外と検索で引っかかる内容より少し深いようなところを絶妙に突いていたりするので、命令文を上手く作るという意味でも、基礎知識があった方が確実なのは間違いありません(教科書に書いてないようなことも平然と出てきます)。
また、試験当日思ったより時間が足りなくなるので、何でもかんでも検索している時間はありません。本番では1つの問題に固執せず、怪しかったらどんどん飛ばして後で戻るようにするのがおすすめです。
なお、カンニングサイト(G検定の用語等の情報がまとめられたもの)も大量にありますが、そこにある情報より一足くらい深い問題が多いので、そこまで役に立たない印象です。とはいえ、問題によっては選択肢を一つか二つ削れますので、お気に入りのサイトを見つけ、一応開いておいても良いでしょう。
DS検定の概要と勉強法
DS検定(データサイエンティスト検定リテラシーレベル:DS検定★)はデータサイエンティストが最低限備えるべき知識を測る試験です。詳しくはデータサイエンティスト協会のHPを参照ください。
勉強時間はこちらも10時間程度です。勉強方法は、以下2冊のテキストを用い、G検定と同じように二周こなしました。この際、統計学の細かいところで躓く人がいるかもしれませんが、あまりにも理解し難ければ飛ばしても良いと思います。統計学の一部ができなくても、他ができていれば合格できますので。
DS検定のテキストはまだあまり出ておらず、公式か以下緑本かになりますが、公式本は誤記が多い等の口コミが多かったので、緑本を選びました。緑本は、そんなに深いところまでは書いておらず、全体をざっくりと理解することを目的とした本かなと思います(公式もそうだと思いますが・・・)。問題集はコレ系の定番の黒本ですね。
DS検定はあまり模擬問題等がWEBで公開されていないため、私は上述のテキスト2冊の問題以外やっていませんが、得点9割で合格できました。
なお、DS検定はCBT受験です。
ITパスポートの概要と勉強法
最後はITパスポートで、こちらだけ国家試験となります。以前、初級シスアドと呼ばれていた資格がリニューアルされたものです。受験形式はCBTです。国家試験ですから、合格証書には「情報処理技術者試験合格証書 ITパスポート」と書かれ、紙版も発行されるため(一応番号が官報にも載る)、G検定とDS検定のやっつけ感がある合格証書より、格式高くみえます。
ただ、難易度は今回取り上げた御三家の中では一番簡単でした。
勉強時間は5時間未満ですが、9割以上得点できました。
勉強法ですが、以下テキスト1冊で攻略可能です。やり方は芸がなくて恐縮ですが、一周テキストを読んで、問題は2回やりました。その後、定番の過去問道場を電車移動時などの空き時間にポチポチとやっていました。
テキストを紹介しておいて言うのもどうかと思いますが、極端な話、G検定に受かるくらいの教養があれば、過去問道場だけ過去5年分くらい周回しておけば十分受かる気がしますので、まずは過去問をやってみてからテキストの購入を検討してみてください。
試験前にテキスト掲載の用語集をさらっと読んでおくと良いでしょう。
DX推進パスポート3を取得するためのおすすめルートと難易度の差
難易度はDS検定が一番難しく、次いでG検定、ITパスポートが一番簡単な印象ですが、凄く差があるというわけではなく、感覚的にそうだったという程度です。得意不得意や経歴次第では印象が違うと思います。
さて、取得順についてですが、私はG検定→ITパスポート→DS検定の順に取得しました。
G検定の知識は、やはり流行りAIがメインですから、ITパス、DS検定の双方に重複するところが多い印象です。
私が受験したイメージとしては、G検定のAI関連分野の知識・法令について、少し浅くしたものがITパス、DS検定に被ってきて、ITパスはここに情報セキュリティやマネジメントが加わり、DS検定はデータサイエンス分野が深くなるとともに、統計的な知識が加わってくる感じです。
ITパスとDS検定の共通箇所も勿論あり、暗号化の話等ほぼ同じ問題が出た気がします。
そういう意味では、私が受けた順番でも良いし、G検定→DS検定→ITパスポートとしても良いでしょう。G検定を最初として、先にやや面倒なDS検定を持ってくるか、やや楽なITパスポートを持ってくるか、個人の好みになりそうです。
テキスト達のその後
これらの資格取得のために購入したテキスト達は、メルカリで全て売却しました。
意外と需要があるようで、定価マイナス500円くらいにすればすぐ売れるレベルです。(時期によるかもしれませんが)
ただし、改訂版が出版されると価値がガクッと下がるのでご注意ください。
このため、資格取得後にも勉強本読む人でなければ、メルカリ等のフリマで早めに売るのがおすすめです。なお、有名古本屋系だと無料同然で買い叩かれるので避けた方が良いでしょう。
まとめ
以上、DX推進パスポートと関連資格の取得に関するヒントでした。
これからの時代、義務教育レベルになる知識ですから、理解が浅いと思う方は勉強しておいて損はないと思います。
コメント