未来が予知できたらどんなに良いだろう、と思ったことはありますか?
残念ながら、超能力のような確実な未来予知は不可能です。
しかし、昨今の技術の進歩により、高い精度での未来の「予測」は可能になりつつあります。
今回は、この未来予測の1つとして、「Prophet(FBProphet)」を用いて将来の株価の予測をしてみましょう。
Prophet(FBProphet)とは?
Facebookが開発した未来予測ツール
Prophet(予言者)は、プログラミング言語「Python」または統計ソフト「R」上で動く時系列の未来予測ツールです。
開発は、かの有名なFacebookです。
具体的な機能として、日経平均等の株価や、仮想通貨の値動き、ブログのPV推移等、ヒストリカルデータのあるものについて今後の変動を予測します。
推定はフーリエ級数を用いて時間周期性をフィッティングしており、統計の知識がなくても、統計的なアプローチを試みることができます。
言い換えると、過去の膨大なデータから規則性を見出し、未来を描くということですね。
Prophetの使い方
Prophetは基本的にPythonで実行するため、少し敷居が高いです。
今回、Pythonの使い方等は説明しませんが、私はPython環境で実行しました。
実行するにあたっては、以下のサイトを参考にさせていただきました。
最初はAWS(AmazonWebService)で試しましたが、上手くいかなかったため、Anacondaで環境構築しました。
なお、これを機にPythonをやってみたいという方には、「みんなのPython」がおすすめです。
Anaconda環境の構築から丁寧に解説されており、基本をマスターするとともに、機械学習の走りまで学べます。
日経平均株価(日経225)の未来予測
それでは、早速Prophetを用いて株価の未来予測をしてみましょう。
まずは日経平均株価です。
日経225とは?
日経平均株価(日経225)は、日本の株価指標として広く普及している指標です。
日経225は、東証一部上場企業約2000社のうち、取引頻度が高く流動性の高い225銘柄を日本経済新聞が選定し、その株価を平均したものです。
日本の景気の良さと考えて良いでしょう。
過去5年のデータを用いた予測
過去5年分のデータを用い、1年後までの株価推移を予測してみます。
上図は、黒点がヒストリカルデータ、青線がフィッティング結果となります。横軸が時間、縦軸が価格です。
黒点が無い位置からは完全な予測となるわけですね。
また、水色の塗り潰し箇所は誤差の範囲となります。
2020年以降、20000円を下回る暴落がありそうです。
上図の1枚目はトレンド分析です。2018年から下降トレンド入りしていることが見て取れます。
2枚目は毎週の価格推移傾向です。
3枚目は年間の価格推移傾向です。ここ5年では、12月から株価が上昇し、その後急落する傾向があるようです。
過去54年のデータを用いた予測
では、過去54年のデータを用いて予測するとどうでしょうか。
20年後まで予測してみましょう。
トレンドは滑らかな上昇傾向です。
「右肩上がりの経済」が可視化されていますね。
ただし、予測範囲が広くなるほど誤差が大きくなるため、信頼度はイマイチです。
本結果では、20年後にバブル並みの水準になることが予測されています。
S&P500の未来予測
次は、本ブログでお馴染みのS&P500をみてみましょう。
S&P500とは?
S&P500は、ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から、代表的な500銘柄の株価を基に算出したアメリカの株価指標です。
アメリカ版日経平均と思っても良いでしょう。
過去5年のデータを用いた予測
まずは過去5年のデータを用い、先1年を予測してみます。
殆ど平行線ですが、若干下降傾向でしょうか。
どうせ下がるなら、暴落の買い増しチャンスが欲しいところですね。
過去69年のデータを用いた予測
では、過去69年のデータを用い、この先20年を予測してみましょう。
もはや貫禄の右肩あがりです。誤差を考えても圧倒的です。
統計の観点でも「S&P500インデックスに投資せよ」と言うことですね。
まとめ
以上、FaceBookが開発した予測ツール「Prophet」を用いた株価指標変化の推測でした。
今回の結果をまとめると、
ということになります。
予測精度はさておき、S&P500インデックス投資の有望な未来を統計学も示しているという事実が得られました。
長期に亘るインデックス投資においては、精神的な安定も重要な要素です。
時にこういった変化球でシミュレーションするのも良いでしょう。
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