FIREを目指している人であれば、何らかのきっかけにより今からセミリタイア生活を始めるということになった場合、どのような暮らしが見込めるか知っておくことは重要です。
現在の進捗度をある程度正確に見積もることが出来れば、夢のセミリタイア生活が少しだけ現実味を増すかもしれません。
ということで、本記事ではケーススタディを交えてセミリタイア到達度の確認方法について説明します。
前提条件
本記事では、単身者の場合と世帯持ちの場合を併記していきます。
なお、世帯持ちの場合は、パートナーも単身者と同様の取り組みをすることとします。セミリタイアということですから、本記事ではガッツリとアルバイトをするのではなく、時間効率がよく緩いバイトをすることとします。
アルバイト
アルバイトの候補としては、新聞配達が挙げられます。超早起き生活を選択できるのはセミリタイア者ならではの特権です。超早起きをするだけで、労働負荷に対するリターン(時給)が高いのが新聞配達の魅力です。
ということで、時給1000円の新聞配達を平日毎日早朝2.5時間行うことにしましょう。すると、新聞配達による月の収入は5万円(2.5時間×20日×時給1000円)となります。
世帯持ちの場合は、パートナーにも新聞配達をしてもらいましょう。これで、労働収入が世帯で10万円得られます。一人当たり月5万円の収入レベルであれば、非課税世帯という社会システムの抜け道を歩むことができます。
単身者でもっと稼ぎたいという人は、住み込みバイトがおすすめです。リゾート地や旅館などに住み込んでスタッフとして働くというものですが、寮や食事が提供されるため生活費はほとんどかかりません。
時給が安く拘束時間が長いことがデメリットですが、生活費がタダに近いというのはそれを補って余りあるほどのメリットがあります。とはいえ、あくまでセミリタイアですから、年に3か月だけガッツリ働いて、非課税所得の範囲内に抑えるという勤務体系が想定されます。
流石に夫婦で住み込みバイトを行うのは困難でしょうから、これは単身者のみの選択肢となりそうですね。
Web活
新聞配達だけでは一人当たり月5万円しか収入がないため、持ち家でもない限りこれだけで生活することは困難です。一方で、新聞配達は早朝の時間を有意義に使うものであり、午前7時以降には自由な時間が沢山あります。
ということで、本ブログでは何度もお勧めしていることですが、YouTubeやブログの運営をメインとしたネットビジネスをぜひ行いましょう。これは、社会との繋がりが希薄になりがちなセミリタイアラーにはとても相性が良い活動です。
Web活で重要なことは、継続的にアウトプットを行うということです。ブログやYouTubeを毎日投稿していれば、多くの人は一年もすれば月数万円単位の収益を得ることができるようになるのではないでしょうか。
この「継続する」ということが、特に時間の制約が大きい社会人には非常に困難なのですが(すみません、言い訳です)、時間を取りやすいセミリタイアラーであれば、生活もかかってますしやる気さえあれば継続することができるでしょう。
ブログはオワコンとは最近いろんな所で聞きます。やがてYouTubeもオワコンと言われる日が来るでしょう。それでも、ネットビジネスで月数万円を稼ぐ程度であれば全然いけると思います。
と言ってもいきなり月5万円とかは無理があると思いますので、まずは月1万円を目指しましょう。楽しみながら続けられるとベストですね!
世帯持ちの場合は、パートナーにもネットビジネスに参加してもらいましょう。手先が器用であれば、YouTubeで料理や裁縫などの趣味系のチャンネルを開くのもありかもしれませんね。
もし私が女でかつ声が可愛ければ、おっさんをターゲットにした解説系の動画チャンネルを作るでしょう。Twitterを見てればいかにおっさんがレディに弱いかよくわかりますよね!
Web活は女性枠がまだまだガラガラに空いているのが現状でしょう。
ポイ活
ポイ活とは、本来はポイントを集める活動を指しますが、ここでは広義の意味として各種キャッシュバックや割引キャンペーンなども含めます。
十分な用意が出来ていない状態で始めるセミリタイア生活では、少しの収入でも大きな意味を持ちます。2019年あたりから始まった電子決済サービスのプラットフォームシェアの争奪戦は凄まじく、PayPayの100億円キャンペーンを筆頭に大量の現金やポイントがばら撒かれました。
この手のキャンペーンを拾っていくことは決してバカには出来ません。セルフバックキャンペーンなども活用すれば、月1万円分ぐらいのポイントサービスは簡単に得ることが出来るでしょう。前々回の記事でも紹介しましたが、時給換算で5千円ぐらいはわりと簡単にいく案件がゴロゴロあります。
多少の手間はかかりますし、情報収集も必要ですが、暇な時間に案件を探してポチポチとクリックするだけで月1万円以上が得られるのであれば、やらない手はありません。
特に収入条件が厳しいセミリタイアラーであれば、時給換算1000円以上は全力で拾っていくべきだと個人的には思います(クレカ案件はあまりお勧めしませんが)。実際にやってみて気づいた点があれば、それを解説する記事を書けばWeb活にも繋がりますね。
単身者は月1万円目標にし、パートナーがいれば世帯で月2万円を目指しましょう。
運用資産の取り崩し
セミリタイアを目指すFIREラー達はほぼ全員が資産運用を行なっていることでしょう。セミリタイア生活では、当然ですが運用資産を取り崩して生活費の充てにします。
ではどの程度取り崩すのかというと、それはポートフォリオに依存するため個人で異なりますが、インデックス投資で一般的に採用されている4%ルールをここでは用います。
運用資産の4%までを取り崩してもOKというのがいわゆる4%ルールですが、利益に対しては税金をを納める必要があり、さらにインデックス投資家の場合は隠れコスト込みのトータル運用コストが年間0.5%程度ですから、結論として実質の手取りは運用資産の年3~3.5%となります。
保守的に3%を想定すると、1000万円を運用しているのであれば、年30万円、月2.5万円まで使えます。2000万円で月5万円ですので、最低でもこのラインは欲しいところですね。
ここまでをまとめると、収入は以下のように求まります。
最低生活費
次に、最低生活費について考えてみます。
持ち家を所有している人は引っ越す必要は無いでしょうが、もしも月々のローンが大きい場合は物件を売るか、もしくは住宅ローンから不動産投資ローンに切り替えてローン返済額以上の家賃で物件を貸し出し、自分は格安物件に引っ越すということが必要になるかもしれません。
賃貸住まいの人であれば、収入減に応じて安い物件に引っ越す必要が生じます。各人で許容できる最低ラインの家賃を想定してみましょう。
なお、現在東京やその他大都市圏に住んでいる人は、田舎の物件相場を見ると驚かれることと思います。例えば、関東圏であれば千葉県柏市とか茨城県つくば市なんかが激安物件が多いわりに東京にもアクセス可能であるため個人的にはお勧めです。
ワンルームではありますが、シャワールームか風呂、トイレ付きの築30年物件であってもネット利用料込みで家賃は月3万円程度だったりします。東京ではあり得ない超絶激安水準ですね。国内版地理的アービトラージです!
出典:SUUMO
家族世帯で住む場合は、3DKのアパートや団地となるでしょうが、UR都市開発機構の団地や公団であれば築古とはなりますが月4万円程度で住むことが可能です。
出典:つくば市ホームページ
ということで、ここでは単身者は家賃を月3万円、世帯持ちは月4万円とします。
次に食費ですが、これは節約ブログを見れば一人当たり月1万円でも十分やっていけることが理解できます。が、いきなりこの水準は厳しいものがあると思いますので、単身者は月1.5万円、世帯持ちは子供もいることを想定して月3万円とします。
水道光熱費は単身者は月1万円、世帯持ちでも月1.5万円もあればお釣りが来るでしょう。通信費は、ネット使用料無料の物件に住めば不要ですし、そうでなくてもRakuten UN-LIMITを持ちいれば一年間はタダでいけます。
とはいえこれがずっと続くわけではないので、ネット代3000円、スマホ代2000円、合計月5000円とします。世帯持ちであれば格安SIM一人あたり2000円追加で考えましょう。
あとはその他雑費ですが、一人当たり2万円もあれば十分暮らしていけるでしょう。
ここで、最低限必要な生活費をまとめます。
ということで、単身者は最低生活費が月8万円、四人家族だと17.6万円程度です。あくまで最低生活費という評価ですが、どう思われるでしょうか?
個人的には単身者については大分余裕がある生活費だと思いますが、四人家族はお子さんの教育費がかかる時期だと非常に厳しいと思います。個人の状況によって異なる命題ですから、ここではあくまで参考程度とし、似たようなプロセスでご自身により最低限必要な月額を計算してみてください。
セミリタイア到達度
最後に、セミリタイア到達度を求めます。
セミリタイア到達度は、見込み収入/必要生活費×100[%] として求めます。
例えば、運用資産額が1000万円で、必要生活費が少し余裕を持たせて10万円である単身者の場合、月の収入は9.5万円ですからセミリタイア到達度はなんと95%(=9.5万円/10万円 ×100)となります。必要生活費が少なければ、実は1000万円程度の運用資産であっても最低限の生活はほぼ成り立つという衝撃的な結果ですね。
4人家族で運用資産は3000万円あるが、教育費のかかる子供がいるため必要生活費がどんなに切り詰めても月25万円という家庭の場合はどうなるでしょうか?
上で想定した収入源を全て得た場合の月収が21.5万円ですから、セミリタイア到達度は86%(=21.5万円/25万円 ×100)となります。この人は、あと月額3.5万円増やせればセミリタイア可能となるため、これを運用資産で補おうとすると必要額はあと1400万円、運用総資産は4400万円となります。
もちろん、Web収入などが多く見込める場合はその限りではありませんし、逆にWeb収入が全く見込めないという場合は月5.5万円が足りないため、運用資産があと2200万円追加で必要となります。この場合は5200万円もの運用資産が必要ということです。Web収入やポイ活による細かな収入が如何に大きな意味を持つかがよくわかりますね。
まとめ
皆様のセミリタイア到達度はいかがだったでしょうか?
単身者であれば意外にもセミリタイア可能ラインに近いと感じるでしょうし、子持ちの家族世帯であればまだまだセミリタイアはできないなと思ったかもしれません。
ちなみに私は、子持ち家族世帯であり将来的には月20万円の生活費は最低見ておきたいですが、月々の想定収入はなんと月20万円を超えてきそうです。
あれ、ひょっとして、すでにセミリタイアできるんじゃね?(悪魔の囁き)
子供が大きくなったら大きな教育費がかかりますし、また妻が新聞配達をしなくても良くなるまではまだまだ働きますが、もしリストラされても生きていくことができそうだと安心できました。
以下、関連記事です。
セミリタイアではなく完全アーリーリタイアとなるとまた話が変わってきます。
以前行ったセミリタイアラインの計算では、単身だと2500万円、世帯だと5000万円と見積もられました。
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