ピケティの不等式「R > G」に見るS&P500インデックス投資を行うべき理由

インデックス投資の極意

ピケティが『21世紀の資本』にて示した「R(資本収益率)>G(経済成長率)」からわかることは何でしょうか?かなり深遠な問いとなりますが、私なりの結論としては「米国株式市場へ投資せよということ」だと理解しました。

本記事では、そう考えるに至った思考のロジックについて説明します。

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投資を行うべき理由

R > Gであることをピケティが「21世紀の資本」で証明しました。

ここで、Rは資本収益率であり、これは株や債券、不動産などといった投資によるリターン(利回り)を意味しております。

一方、Gは経済成長率を表しております。経済成長率とは、世界中の人々が仕事を行うことにより生み出される価値(サービス、モノ等)の増加率です。これは、労働者が得る給料の伸び率とも言い換えられます。

つまり、この法則が示すことは、「投資により得られる利回り>世界経済の伸び率=労働者の給与増加率」ということです。

300年前から現在に至るまで、戦時などの特異な状況を除いて絶えずこの方程式が成り立っていたということが、膨大な資料を用いたピケティにより証明されました。

このことから、資産家が益々富み、労働者階級との格差は広がるばかりであるという資本主義の本質があぶりだされました

それでは、労働者階級である我々庶民はこの事実を知って悲嘆に暮れることしかできないのでしょうか?

いえ、違います。やるべきことはただ一つ、余剰資産を投資することで、世界経済の成長率以上のリターンを資産から得ることです。

それをひたすら行い続けることにより、労働者階級から資本家階級への道を歩むことができます

何に投資を行うべきか?

ピケティが示した不等式により、資産家が益々富むことが資本主義の本質であり、庶民である我々もその甘美なる汁をすするべきであるし、それが可能であることがわかりました。

それでは、具体的に何にどのように投資をするべきなのでしょうか?

私の結論は、米国の株式市場であり、もっと言うとS&P500に連動する投資信託かETFへの投資です。

なぜ、米国株式市場が最有力であるかについて、順を追って説明していきます。

米国株式市場の強さ

ピケティの調査結果によると、世界全体での経済成長率Gは1~3%となります。資本収益率であるRは世界経済平均で4~5%です。

それでは、長年に渡って一強である米国のGとRはどの程度でしょうか?

近年における米国の経済成長率Gは2.7%であるのに対し、資本収益率Rはナント8.3%です

世界でのRに対して倍近くあります。驚異的な数字ですね。。

従って、R-G=5.6%となり、このスピードで投資をしない労働階級と投資を行う資本家との格差が広がっているというのが現状の米国の経済事情です。

米国が資本収益率R=8.3%という世界随一のハイスコアをたたき出している理由を簡単に説明すると、企業の平均利益率がずば抜けて高い(日本の二倍ぐらい)ことと、配当性向が全体的に高く、投資家保護の素地が出来上がっているということが挙げられます。

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今後の長期投資にも米国が有力である理由

これまでは米国の資本収益率が群を抜いて高かったということはわかりました。

それでは、今後もそうなるといえるのでしょうか?

残念ながら、未来は不確実ですので断言はできませんが、今後も米国が強いであろうと考えられる理由は幾つかあります。

一つ目は、米国の一人当たりのGDPは150年以上前から毎年2%のペースで指数関数的に増え続けているということです。特段の理由がない限り、この傾向はしばらく続くことが予想されます。

二つ目は、米国の人口は増え続けているということです。また、これは2014年のデータではありますが、日本人の平均年齢45歳であるのに対してアメリカ人の平均年齢が37歳です。

少子高齢化とは対極に位置する理想的な人口構成といえるでしょう。

一人当たりのGDPが指数関数的に増え続けており、人口も増え続けており、働き盛りの若い人たちが中心となる人口構成であるため、米国全体のGDPも指数関数的に増え続けております。

これが、米国の牙城は盤石であると私が考える理由です。

代表的な米国株を包絡するS&P500に投資するべき理由

今後も益々国力の増強が見込まれる米国に投資するべきであるということがわかりました。

しかし、投資といっても株や債券、不動産など色々なものがあります。一体どれに投資すればよいのでしょうか?

題名でネタバレしてますが、株式に投資するのが一番です。理由は、長期的に見たら債券よりも株式の方がリターンが高いことがわかっているからです。

これは、かの有名なシーゲル氏が多くのシミュレーションにより示したことでもありますが、そんなことよりも以下の図を見れば一目瞭然です。

出典:AAII Journal

本図は、米国での約200年に渡る各資産クラスの資産価値の推移を表しております。これによると、200年もの間に渡って株式は年利6.7%増加というハイスコアを叩き出しております。

米国全株式に投資する方法もあるのですが、過去五年の成績を見る限り、若干ではありますがS&P500の方がパフォーマンスが高いので、本記事ではS&P500連動インデックスをおすすめしております。

ただし、リーマンショック以降の期間でみると若干米国全株式の方が優れているため、どちらを選ぶかは好みによるでしょう。

私は上位500社の方が不況時にも暴落しにくいであろうと考えて、S&P500に投資しております。

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まとめ

ピケティのR > Gの不等式が米国で特に顕著であることから、S&P500への長期積立投資が最大リターンを見込めると考えられるということを述べました。

無論、未来のことは不確定ですし、リスク資産である株式市場への投資は元本割れのリスクを伴いますので、借金をしてまで行うのは愚の骨頂です。

以下の記事では、20年で1億円を得るにはどのぐらいの額の積立投資が必要であるかという投資シミュレーションを行っております。当然投資は自己責任ですから、ご自身で検討し十分納得した上で、余剰資金で行うことを推奨します。

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